
(※2022.3.17)
科学のひと、あかね屋サンです。
地震こわかったねー!
長時間の揺れでおろおろしていたら電気ブツン切れて泣いちゃったよ。汗
地震がおさまって翌朝。
停電も復旧して、スマホ充電していたら父親から電話かかってきたのだけど、、
「人工地震はあるって思う?」
はい?
地震のたびに言われる「今回の地震は人工地震」説。
人工地震の理屈が全くの嘘とは言わない。
人類の科学力もなかなかだし。
だけど、父から電話で聞かれた人工地震の説がもうむっちゃくちゃ。
今回聞いた説はこれ。
地震のP波S派が同時に観測されたら人工地震(嘘)
義務教育内で習う範囲で十分嘘だと分かる範囲なのだけど、なかなか騙される人が多いみたい。
今回父にはザツーな図解を送って納得してもらったのだけど、せっかくならば当ブログに記録を残しておこうかなって感じ。
あっ、もちろん今回はP波S波を理解している人には退屈な話。
よく分かんないってひと、P波理論で人工地震を信じている、もしかしたら?って思っている人用のお話です♪
なんか父親が「P波が無いのは人工地震って聞いたけど本当?」って聞いてきたので完全な誤りであると返事しといた。
ちょっと図解とかもしたけど、これって需要あるかな?— あかね屋サン (@acaneya_san) March 17, 2022
結論から言うと、P波S波で人工地震だなんて分かりっこないです。
今回はザツーな図解で厳密さは犠牲にしたので、専門の先生に怒られるかも知れない。
っていうか途中一部嘘混じりだけど、その分世界一分かりやすくしておきました。(嘘は後半でフォロー)
あっ、あと、今回はP波S波による人工地震説の話。
他の人工地震説はまた別だけど、荒唐無稽さだけでも実感出来たらそれはそれでいいかなーって、そんな感じ。
それでは早速具体的なお話。
P波S波は小学校とかで習うはずだけど軽くお話するね。
・P波は地震が起きてすぐに届く小さい揺れ
・S波は遅れて届く大きい揺れ
って考えれば大体合ってる。
それで今回のよくある「これは人工地震の証拠」説はこれ。
これが人工地震の証拠!(嘘)
・「P波が無い」
・「P波とS波がほぼ同時」
・「S波が届くのが遅すぎる」
父からの電話で聞いたのは上記2つなのだけど、3つ目も全然人工地震の証拠になったものではありません。
このP波とS波。
わたしが小学校のときにはヘンな教え方をしていたので、もしもみんな同じように習っているならば理解できないひとが多いのかも知れない。
なので極々カンタンにP波とS波が何なのかを解説♪
あっ、理解しやすくするためにわたしも一つ嘘を言うけど、あとでフォローするのでとりあえず順番に見ていってね。
まず、地震にはP波とS波があるのは事実だけど、決して2種類の揺れ方をしているわけではないってこと。
地震はあくまで震源地が揺れること。
そして、震源地から遠方になると、その揺れの伝わり方が2種類あるって感じ。
その一つがP波で、もう一つがS波。
・P波は振動が直接的に届く
・S波は大きい波のうねりが届く
こんな感じ。
これだけでは分かりにくいと思うので図解を用意。
P波はすぐ届く
(※P波のイメージはちょっと不正確だけど、あとで解説するのでとりあえずはこのイメージで受け止めてね。)
■P波のイメージ
P波は30㎝定規をイメージしたら分かりやすいです。
左手で30㎝定規の0地点をおさえて、右手で反対側の端部をおさえてみる。(想像で十分)
それで、左手で定規を右に向かって動かしたら?
一瞬で右手に振動(定規の移動)が伝わるよね。
当たり前すぎるけど。
これがP波。
(実はP波の説明としてはおかしいのだけど、あとでフォローするので知ってる人も怒らないでね!)
直接的というか、直線的に振動が届く場合は一瞬。
じゃあS波は?
S波は一般的な波のイメージ、うねりのイメージ。
S波は揺れが大きくなりがち。
■S波はうねり
池の水面に小石を落としたら、時間をかけて波が広がっていくよね。
順々に波が広がって行って、池の端に届くのには時間がかかる。
ちょうどいい動画があったのでシェアしますね。
もう一つ例えるならば、紐(ひも)のうねり。
紐の片側端部を手で動かして波を作ったら、時間をかけて反対側端部まで波が届くよね。
P波(定規の例)みたいに、動かした瞬間にもう片方の端部が動いたりはしない。
こっちもいい動画を作ってくれているひとがいたので紹介♪
うねりを作るもの、波をうつものはちょっと時間かけながら遠くまで届く。
その感じがつかめてきたんじゃないかなって思います。
ただここで、「地面って硬いのに波が出来るの?」「P波のときに硬い定規に例えていたじゃん」ってなる人がいるかも知れません。
ここで、冒頭でお話した、一つ混ぜた嘘の話を回収したいと思います。
地球規模から見たら地面はゆるゆる。
なんで硬い地面が波うつのかっていうと、それは広い範囲で見たら地面も柔らかくゆるゆるだから。
上の方のYoutubeで紹介した水面のように波うつものと考えていいです。
たとえば鉄板はとても硬いイメージあるよね。
10センチくらいの鉄板だと頑張って指で曲げてもなかなか曲がらないけど、超長い、10メートルくらいの鉄板だとペラペラ曲がりやすいのはイメージ出来ると思う。
地球規模で見ると、地面は柔らかい。
波もうつ。
というわけで、P波(先に届く)を分かりやすくするため定規に例えたけど、実はあまり適切とは言えない例えだったんです。
P波のことは本当は疎密波といいます。
疎密波の考え方
人間が地面をコンコン叩くと当然手が痛い。
だって、硬いから。
でも、地球規模で見たら地面なんてゆるゆる柔らかい。
地面の中もゆるゆる。
なので本当は、遠方の地下で揺れが起きても、定規の例えほどは一瞬で伝わらない。
遠ければ遠いほど時間がかかる。
だけど、揺れ(P波)は届きます。
これを疎密波と言います。
学習チャンネルの波についての動画を拝借しました。
地面は硬いけど、地球規模で見たら、定規よりもこういうバネみたいなものが、より実情に近いです。
動画内の縦波がP波。
よーく見たら、密度濃い部分と薄い部分が出来ているのが分かると思います。
実際の自身の場合も、震源地の揺れによって圧迫されて密度が濃くなった部分が出来て、それが順番に伝わっていく感じ。
密度が薄い部分と濃い部分が入れ替わって伝わるので、疎密波って言い方がされる感じ。
そして、動画内の「縦波(P波)」と「横波(S波)」だと、微妙に「縦波(P波)」の方が伝わるのが早いのが分かると思います。
近距離でも目視して分かるくらいの差があるので、都道府県を超えた距離だと大きな差になります。
なので実際の地震の際も、P波の方が先にたどりついて、次にS波がたどりつく感じ。
はい、ここまでが下準備。笑
だけど、勘のいいひとはもうこれ以上説明が必要なかったりすると思います。
P波S波で人工地震の嘘
予備知識
・P波は速い
・S波は遅い
・震源地から時間差で2種類出るわけではなく、波の伝わり方の違いでP波S波になる
冒頭でお話した内容だけど、これを元に人工地震の仮説を見ていきましょう。(もう簡単)
人工地震の証拠!(嘘、再掲載)
・「P波が無い」
・「P波とS波がほぼ同時」
・「S波が届くのが遅すぎる」
・「P波が無い」
・「P波とS波がほぼ同時」
まず、「P波が無い」というもの。
直下型地震で震源地近くだとP波とS波の区別がつきません。
P波もS波も震源地から出るわけだけど、発生のタイミングはもちろん同時。
別のタイミングで別の揺れが起きるわけではないのです。
伝わるスピードが違うので遠方になればなるほど差が出来てくる。
だけど逆に言うと、発生地に近ければ近いほど差がなくなってくる。
震源地近くだと、P波はS波に、S波はP波に紛れて判別ができません。
(P波とS波、それぞれ厳密な定義があるかもだけど、そこは今回の話題とズレるので触れません。)
・「S波が届くのが遅すぎる」
今回はバネの動画をシェアしたけど、当然波が届くスピードは材質によって変わります。
(バネと紐と水でも違うよね)
今回のお話では、P波(早い)を定規に例える嘘を混ぜました。
でも実はこれも完全な嘘ではなくて、要は材質によって波が届くスピードが違うって話。
震源地から自分のところまで本当にカッチカチに硬くて少しも縮んだりしない物質で埋め尽くされていたら定規の例えに近くなって、ゆるゆるになればバネの例えみたいになる感じ。
ただ実際は定規の例えみたいにカッチカチはありえないよね。
要は程度問題。
震源地から自分のところまでは色んな地層、さまざまな物質があるわけで、その構成で届くスピードが当然変わってきます。
振動の伝わり方はあくまで極端な例、モデルを作って考えていくわけであって、全国共通、世界共通の伝わり方なんていうものはありません。
そもそもの話、大きな揺れさえあればP波もS波も発生するわけ。
地震が自然発生のものであろうとも、人工のものであろうとも。
そしてその伝わるスピードはその地域の地盤等で決定されてしまう。
詐欺で人をだまそうという人は騙されやすいひとがターゲット。
こういう都市伝説系は科学的根拠がムチャクチャでもなんでもいいっぽい。
騙されない人向けには話していない。
要はムチャクチャでもなんでも騙されてくれる人を相手にしたらいいわけなので。
あとは1000人に1人は騙されるならば、1万人にアタックしたら10人騙されてくれるし、100万人にアタックしたら1000人が騙されてくれる。
Youtubeとかで人気さえあれば情報だだ漏らしでもいいよね。
(最近都市伝説系Youtubeが制限されているけど当然だと思う)
その点ではうちの父はファインプレー。
ちゃんと電話して聞いてくれたので♪
わたしも落ちこぼれ学生だったので完璧な答え方はできないけど、大きくは外さないでお話出来たと思います。
P波やS波の厳密な定義、震源地付近で発生する波・振動がどういう動きをするか、どういう名づけ方をしているかなど、わたしも詳しくないです。
きっと専門家の先生が見たら怒られる内容になっているので、これをまた聞きで人に話すとヘンな事になるかも知れません。
ただ、内容を大きく外していないなので、これを元に、もっと正確な専門的な解説をみたら、きっと今度は理解できるようになるんじゃないかな。
その一助になれれば嬉しい限りです。
(もしもご指摘などがあった場合には追記、訂正などをして当ページの精度を高めたいと思います。)
また話題があれば、あかね屋サンのザツーな解説をしてみたいと思います♪